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みごにゃ 【涙のレイズナー】 

2006年03月09日 ()
=つづきのつづき=

「そろそろ帰りましょうか」と誰かが言った。
Open↓

ステータスを確認するとあと100くらいだったか。
自分をターゲット、アイテムを確認する。確かにあれは持ってきている。
「わりぃけど、もう一匹だけ狩ってもらえないかな?」
自分はヒーラーだからね。いろんな意見はあるだろうけど、狩りはお願いする立場だと思ってる。
「いいですよー」
有り難う
「どうしてもこのPTでレベル、上げときたいんだ」
すでに戦闘が始まっていたから、若干弱含みのこの台詞はログの中を勢いよく駆け抜けていった。
最後のモンスターのHPゲージが残り少なくなってきた。あとは、タイミングを逸しないようにキー入力をするだけだ。
ヘクトアイズが汚らしく崩れた。
レベルが38になったことを告げるログが流れる。
レベルアップのエフェクトがモニターの中の優男を包む。
「おめでとう」「おめ〜」決まり文句も感慨ひとしおだ。
「ありがとう」そして階段の高いところへ上がって皆の方へ振り返り 「大変ながらくお待たせ致しました」と入力。
素早くコントローラーに持ち替えてアイテム一覧からレイズのスクロールを選択した。
赤魔道士としてレイズナーになる瞬間を、一緒に死にまくったこいつらにどうしても見届けて欲しかった。
ヘタレサポ戦がいたという事実を。

ひとまずの節目。赤魔道士Lv38。
溢れる賛辞と涙に何も言えずただ/bowとだけ。


たかがゲームごときに年甲斐もなく泣いちまった。
モニターの向こう側からは見えないのが幸いだ。

=終=

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[2006.03.09(Thu) 12:54] 短編その1Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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みごにゃ 【今宵限り】 

2006年03月09日 ()
=つづき=

ベヒモスには馴染みがない。要塞や古墳で狩りをしていた者としては未知の狩場に不安を感じていた。
狩り場を選ぶ際に要塞と古墳を提案はしたが、馴染みのない狩り場に不安を覚えるのは皆同じで、彼らの場合フェインの方が慣れているというだけのことだった。

Open↓

最後は五人死亡。リーダーのシーフだけは助かった。五人はHPであるジュノへ戻る。そして独りクフィムをひた走るシーフを待つ。リーダーは自分だけ助かって申し訳ないと
言っているが全滅よりは良いだろう。
戦術的にもっとこうあるべきだといった見解は様々あるのだろうが、1時間というさして長くもない時間で延べ11名が倒れてしまったことから自分を含めてプレイヤースキルの低さは実証済みであるので意見無用にて。あえて描写を少なくしているので突っ込みようがないとは思う。
 状況からすればこれで解散であろう。それで良いと思った。今夜はツキがなかっただけだ。
狩場を変えてみませんか。と、誰が言ったのかは覚えていない。それぞれが経験値を失ったはずだし、また、それぞれが責任を感じているようで、このまま解散は辛いのだろう。
相談が始まる。しかし揃って他の狩場は知らないと言う。
30台後半にもなるのに本当だろうか。
惨事の前に変更を提案していた者としては、何を今更というのが正直なところであって、あまり気乗りではなかったので黙っていた。
ただ、必死な様子の彼らに別れの一言を言えずにいた。
ここで抜けると言えば恐らく補充人員を集めることが出来ずに解散となるだろう。

何しろ今夜は魔道士が少なかった。

「抜けます」と入力して随分と長いこと逡巡していたが、結局のところ『Enter』ではなく『Back Space』を連打していた。
何も決まらない彼らに旨い狩場の保証はしないという前置きで古墳に行ってみるかと切り出してみた。
嫌も応もない。彼らはそこに行くほかにないのだ。
ジュノからフィールドに飛び出した6人は古墳を目指して走り出す。
混雑を心配する者もいたがそれには及ばない。時間は既に深夜帯を迎えている。
行動がバラバラで縦横無尽に右往左往してようやく古墳に入る。1パーティの先客があったが特に問題はない。

 骨や目玉を相手に狩りを始めた。
もちろん回復もしてくれているのだが、黒魔道士をアタッカーとするならばいわゆる後衛は自分一人である。

階段の上から一人遠巻きに眺める。

回復魔法を掛ける。

ときおりくだらねぇネタふりをして。

プロテスとシェルを掛ける。

心配を余所に稼ぎは良かった。

雰囲気が良くなってゆくのも道理だ。

長いような短いような時間が過ぎていく。

レベルアップを迎えるメンバーが出始める。

「俺たち強いじゃんw」

そうだよ。レベルにあった狩りが出来れば。

 連中の姿を映し出すモニターの向こう側、窓の外が白々としてきた。今日だって仕事だから徹夜なんかするつもりじゃなかった。
でも、放ったらかしにする気になれなかった。

 そろそろ終盤に近づいたらしい。
「最初はどうなるかと思ったけど、なかなか良い稼ぎでした」
「ホント楽しかったです」
「また一緒に遊んで下さい」・・・
社交辞令だろうし、珍しい挨拶でもない。ましてや自分に対して言っているわけでもない。
もう、会うことがないのは彼らに限ったことではないのだけれど、胸に熱いものがこみ上げてくる。苦労した仲間との別れだからだろうか。

=まだつづく=

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[2006.03.09(Thu) 12:47] 短編その1Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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みごにゃ 【永遠にアッカーマ】 

2006年03月09日 ()
まだリフレなんてなくて、赤魔道士が存在の迷路から抜け出せなかった頃の話。
赤6人でパーティ組んでみようかな、などと考えてしまうくらい、行く先の見えぬ頃の話。

 そしてどんな時も、心は赤魔と決めた日の話。




Open↓

何もかも行き詰まった感じがして、引退を考え始めていた。
引退と言ってもフレンドもログインしてこなくなったし、所属していたリンクシェルも消滅していたから、ただ、消えてなくなるだけ。

その日もルルデの庭でぼんやりとしていた。
「よかったら、パーティしませんか?」
リアルで23時は過ぎていたと思う。でも、このところ経験値を稼ぐ機会に巡り会っていなかったので即答した。
今にして思えば誘われなくて当たり前だったのだが、そのことに遅ればせながらも気付いたのはこのPTであった。
「赤さんサポ白ありますか?」
6人目として誘われた。
そう、そういうものだ。
そしてサポ戦しかないどうしようもない俺。
ソロでもやってろってんだ。
メンバーはナ黒モ戦そしてリーダーは/anon。
装備からして前衛らしい。
今夜は魔道士が少なかった。

狩り場はベヒーモスの縄張り。初めての狩り場だ。骨を狩るらしい。
少し広くなったところで、「コウモリに気をつけて」と注意が促される。
そう言えば白魔道士がいないのだ。レベル37の赤魔道士ではレイズが使えない。
「レイズがありませんので、気をつけてください」というが早いかナイトがコウモリに叩き伏せられた。どうにか出来るわけでもないが、助けに入った二人がやられた。
近くにいた白魔道士にお願いしたのはリーダーだったか。回復を待つ。
しかし、その彼らと狩り場で獲物を釣り競う。限られた獲物に殺到する冒険者達。パーティ全員で釣りをしたが、その技術の差は歴然としており、自分達が獲物にありつくことは困難を極めた。やっとの思いでつり上げたもののリンクを起こしてPTが半壊。またも別パーティの手を煩わすことになる。リンクしなくても決して楽な相手ではない。レベルが合わないようにも思う。そもそも無理が利くような編成でもない。支えきれない。
獲物が足りないし、一体倒すのにかなりの時間を要するのだから、他の狩り場を探して方がいいのでは?と促してみる。しかし、返答はなかった。
リアルで24時を過ぎると狩り場が空いてきた。神業の釣り師もご帰還の様子だ。
骨を1体倒すと経験値200を手に入れた。
獲物は辺りにうろついており、釣り放題だね。と、喜ぶパーティ。
しかし、違和感が頭から離れない。
次の獲物もリンクした。足下からポップしたのだから場所取りの不備かもしれないが、とにかく二の舞をせぬよう即座に救援を出す。近くにいた高レベル(当時)の黒魔とモンクの冒険者が狩り倒してくれて事なきを得た。
思うに、この狩り場はパーティの数が多ければ取り合いとなり少なければこちらが狩られる。そういうところなのだろう。出現のタイミング管理がシビアではないのか。
そして、続く狩りもリンク。収まりがつかない。
3体リンク、救援を出すもさっきの黒魔とモンクも自分の獲物で手一杯。とてもじゃないが関わりきれないと判断したのか、二人ともデジョンを唱えた。
周りに頼りすぎだ。虫が良すぎるのだ。
ケアルをMPの限りPTメンバーに掛けて、ヘタレサポ戦、挑発を打ち込み離脱を試みたところで力尽きた。

=つづく=

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[2006.03.09(Thu) 12:44] 短編その1Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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